薩摩の離島の情景 上甑島
鹿児島の西の海に浮かぶ甑島列島は
有人島である上甑島、中甑島、下甑島と多くの無人島からなる列島である。
上甑島と中甑島は中島を中継地として2つの大橋で繋がっており、
2018年度に藺牟田瀬戸架橋が完成し、中甑島と下甑島が繋がれば3島を一気通貫で走り抜けることが出来るようになる。
いちバイカーとして、橋の完成がとても楽しみである。
前回は下甑島の素晴らしい絶景を紹介したが、今回は上甑島・中甑島のおススメ景勝地を紹介する。

1.甑を代表する景勝 長目の浜
長目の浜とは島の北岸に幅50m、長さ4kmにわたって延びる砂州の浜である。

砂州によって海と隔てられた大小4つのラグーンは「甑四湖」と呼ばれる汽水湖であり、
美しく神秘的な自然の景観を誇っている。

「長目の浜」という名は、江戸時代前期、薩摩藩第2代藩主の島津光久が
巡視の際に「眺めの浜」と命名し、その景観をほめたことが由来だそうだ。
展望所は幾つかあるが「田之尻展望所」からの眺めがやはり素晴らしい。
海鼠池と海を分かつ白く長大な砂州、海越しに臨む遠見山。
長目の浜の雄大さを実感できる展望スポットである。

2.トンボロの砂浜 西之浜
上甑島北部に位置する遠見山は、かつては独立した離島であったが、
砂州によって上甑島本島と陸続きとなった陸繋島である。
西之浜は、その陸繋砂州(トンボロ)の西側にある上甑島最大の砂浜である。

因みに、陸繋砂州の上に形成された里集落は、陸繋砂州上にある集落としては最大規模であり、
日本3大トンボロと呼ばれているそうだ。

美しい砂浜に美しい景色。防波ブロックに囲まれているため波も穏やか、海水浴にはもってこいだ。

3.島の起源 甑大明神
上甑島の南端、上甑島と中島に架かる「甑大明神橋」の袂にある岩の岬が甑大明神だ。
明神さまとして祀ったこの岩が「甑(こしき)」、つまり「蒸籠(せいろ)」形をしていることが甑島の名の由来。
切り立った岩の上に立つ朱の鳥居、その背後に鎮座する大岩がその御神体だ。

岬の断崖にはロープが掛かっており、鳥居の所まで登ることが可能である。
が、落ちたら徒では済まない。おススメはしない。

4.美しいアーチ橋 鹿の子大橋
鹿の子大橋とは中島と下甑島(平良島)を繋ぐ11連のアーチ式の橋だ。
沖の串と呼ばれるこの浅瀬に架かる鹿の子大橋の延長は240m。
延長1kmを越えるビッグブリッジと比べると、迫力の面では到底及ばないが、
その造形の美しさは引けを取るものではない。

橋の周辺が「鹿の子百合」の自生地となっていることが橋の名の由来。
蒼く美しい沖の串の海に、中島に向かって真っ直ぐに延びるアーチ橋。素晴らしい景色だ。

- 関連記事
コメント