絶景を誇る穴場の離島 下甑島
鹿児島の西の海に浮かぶ甑島列島は
有人島である上甑島、中甑島、下甑島と多くの無人島からなる列島である。
「甑(こしき)」とは「蒸籠(せいろ)」のことであり、島の名前は、
中甑島にある「蒸籠の形をした巨岩」を明神様として祀ったことに由来するそうだ。
下甑島は甑島列島の中で一番大きな島であるが、
その地形は険しく、数少ない平野部に集落が形成されている。
海岸は急峻であるため海沿いの道路はなく、
集落と集落を結ぶ道は山間を縫い、とても走り応えがある。
鹿児島の離島と言えば、屋久島や奄美群島などが有名だが、
この下甑島も自然の素晴らしさでは劣ってはいない。
今回は、素晴らしい景観を誇る下甑島の景勝地の中でも、
特に素晴らしい絶景スポットを4ヶ所紹介しよう。

1.藺牟田瀬戸を望む絶景 鳥ノ巣山
下甑島の北東端に位置する標高110mほどの鳥ノ巣山。
その展望所から望む景色はとても清々しい。
心地良い潮風が吹き、眼下には青く萌える草原が広がる。
その先には海峡「藺牟田瀬戸」が横たわり、手が届きそうなほどに中甑島が大きく映る。

海峡を突き抜け中甑島と下甑島を結ぶ大橋は「藺牟田瀬戸架橋」。
2006年に建設が始り、風浪の激しさと台風のため作業が難航し完成が遅れていたが、
来年度(2018年度)に完成する予定だそうだ。
その延長は1533m。
完成すれば鹿児島で最長の橋、日本でもTOP20に入る大橋となる。

2.美しく荘厳な絶壁 鹿島断崖
鹿島断崖とは島の北西岸に位置する絶壁の海岸である。
「日本の地質百選」に選定されたこの断崖は、むき出しの縞模様の地層が特徴的である。
絶壁の海岸に人の取り付くスペースはなく、
その全容を確かめるには、周遊船に乗って海から望むしかない。

夜萩円山(よはぎまるやま)公園から望むストライプの絶壁。
高さ150mに達する勇壮な断崖に美しい海。島を代表する絶景スポットである。

3.下甑の空を疾走る 吹切大橋
吹切大橋(ふっきり大橋)は島の北部、吹切(ひぎれ)と呼ばれる地域の頭上を走る天空橋である。
吹切は細長い下甑島において一番くびれた場所であり、
その幅は200m程しかなく両岸を一度に望むことができる眺望スポットである。

地上高50~100mの天空橋から望む青く美しい景色。
眼下には吹切浦の澄んだ海が広がる。

4.秘境 風の谷の内川内
内川内とは下甑島の中央部、尾岳の西側、標高200~300mの山間に位置する集落である。
山深い場所にあり、急峻どころか崖にちかい斜面に形成された集落は下甑島にも他にはなく、
アクセスの悪さもあってか、秘境とも云われている。

集落から海岸まで下りる急峻な道「浜道」、その中ほどに髙巖神社という社がある。
その裏手にある一枚岩は島でも有数の絶景スポットである。
渓谷を流れ落ちる瀧、そして山間の割れ間に眺望する東シナ海。
150mもの高さから望む内川内の素晴らしい光景に圧倒される。


内川内の大滝は二筋に別れ二段に落ちる立派な滝である。しかし、何故か名前が無い。

浜道を下り切り辿り着く美しい玉石の海岸。
集落から40分を要するし、さらに藪や草木を掻き分けて進む羽目となるが、
是非、美しい海岸でカタカタと鳴く石の音を聞いてみてほしい。

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