絶景なる孤島 粟国島
粟国島とは沖縄本島の北西約60kmの沖に浮かぶ島、周囲に属島のない孤島である。
かつて粟の産地であったことが島の名前の由来だそうだ。
沖縄では珍しく隆起サンゴ礁ではなく火山活動で形成された島であるが、
最高所は100mにも満たず、一見には沖縄ならではの平らな島だ。
しかし、琉球石灰岩(サンゴ成因)と白色凝灰岩(火山成因)が混在する海岸は、
日本広しといえど、ここだけだろう。
今回は、沖縄でもレアキャラな粟国島の素晴らしい絶景を紹介する。

1.粟国島へのアクセス
粟国島に渡島する手段は「フェリー粟国」と
日本で一番小さな9人乗りの旅客機「アイランダー」である。
が、旅客機については、2015年8月に起きた粟国空港での着陸事故以来、運休中であり、
運航再開の予定はないようだ。(2017年7月 現在)
フェリーは那覇のとまりん(泊ふ頭)から出航していて、粟国島までの所要時間は2時間10分。
1日1往復しているので、那覇からの日帰り観光も可能である。

2.白亜の絶壁 ヤヒジャ海岸
ヤヒジャ海岸とは、島の南西に位置する海岸であり、
高さ30mに達する凝灰岩(コーシチャー)の海食崖が、筆ん崎まで延々と延びている。
干潮時には、海岸沿いに平らな大地が現れマハナ下まで歩くことができる。
途中に白亜の巨石が転がっているが、これはトゥージウサーラーと呼ばれており、
トゥージ(石水槽)を作る作業をしていた人を押しつぶしたものと云われている。

沖縄でもここでしか見ることができない白壁の絶景は正に壮観。
干潮時刻に時間を合わせて、是非訪れて欲しい場所だ。

3.荘厳なる断崖 マハナ
マハナとは島の最南西端に位置する断崖の岬である。
正式な地名は「筆ん崎(ふでぃんさき)」といい、
「マハナ(真はな)」とは「最も端」という意味の方言だそうだ。
マハナの断崖の上から見下ろすヤヒジャ海岸は島屈指の大景観である。

崖上からの展望も良いのだが、マハナの景観の骨頂は断崖の下にある。
青空に浮かぶ海抜87mの白亜の断崖の迫力には言葉も出ないだろう。

4.潮風吹き抜ける 沖縄海塩研究所
沖縄海塩研究所は島の北端に位置する「粟国の塩」を作る塩工場である。
事務所で受付をすると無料で見学ができ、事務員さんが施設を案内、製塩手法を説明してくれる。
ここの塩工場の特徴は何といっても、
15000本もの竹を逆さ吊りした「立体式塩田タワー」による製塩だろう。
このタワーで約1週間、竹に海水を循環させ、潮風によって蒸発させることによって
塩分濃度を20%まで濃縮させるそうだ。

15000本もの竹が整然と並ぶ姿は圧巻。

5.延々と延びる ウーグの浜
ウーグの浜とは島の東岸に位置する砂浜である。
「ウーグ」とは「細長い」と言う意味の方言だそうで、
その名の通り、ウーグの浜は1km以上も延々と続く細長い砂浜である。

白色凝灰岩の西岸と打って変わって、琉球石灰岩の東岸は沖縄らしい白く美しい砂浜。
粟国島は火山と珊瑚の融合した素晴らしい島ということを実感する。

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