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刻を越えて現代に残る...奇跡の現存天守(前編)


現存天守とは、江戸時代以前に建設され、
現代までその姿が保存されている天守のことだ。

戦前までは20もの天守が現存していたが、
米軍の攻撃によって水戸城、大垣城、名古屋城、和歌山城、岡山城、
福山城、広島城の7天守が焼失
戦後、松前城の天守が失火で焼失したため、現存するのは12天守のみだ。

愛車NC750Xに跨って日本を一周し、訪れた全国各地の現存12天守。
まずは北から順に、6つの現存天守を紹介する。

- 後編はこちら -

2017_0310_0_姫路城_出口1



1.日本七名城 東北の雄 弘前城

弘前城は東北で唯一、そして最も北に位置する現存天守である。

1810年に建てられた比較的新しい天守閣は国の重要文化財に指定されている。
明治の廃城令発布により廃城処分された後、弘前公園として市民に一般開放された。

天守の高さは約14mと、現存する三重天守の中では最も低いが、
白漆喰の外壁と銅瓦のコントラストで凛とした雰囲気を醸し出している。

司馬遼太郎が日本七名城と語る素晴らしい天守だ。
2017_0310_1_弘前城3

残念ながら、石垣修理中であり天守内に立ち入ることは出来ない
修理には10年はかかる見込みだそうだ。次は2025年か...



2.黒く美しい五重六階の天守 松本城

松本城は、長野は松本市に立つ城であり、
現存天守の中で、唯一平地に建てられた平城だ。

安土桃山時代末期~江戸時代初期かけて建造された天守は
五重六階の現存天守で日本最古であり、国宝に指定されている。

地上高、約30m。そびえ立つ漆黒の天守は甲冑を纏った武士を連想させる。
2017_0310_2_松本城1

天守から望む北アルプス(飛騨山脈)。清々しい風景が広がる。
2017_0310_2_松本城2



3.現存する日本最古の城 丸岡城

福井は坂井市に立つ丸岡城は、北陸で唯一の現存天守である。

楼型二重三階の天守閣を持ち、
建造年は不明だが、その古式の外観から最古の現存天守と云われている。

小高い丘に築かれた平山城で、
合戦に現れた大蛇が霞を吐き、城を隠したという逸話から「霞ヶ城」とも呼ばれる。
2017_0310_3_丸岡城3

天守閣から東方の山稜を望む。
2017_0310_3_丸岡城5<br>



4.木曽川に沈む夕陽 犬山城

犬山城は、愛知は犬山市、木曽川沿いの丘に築かれた平山城で、
三層四階の天守は国宝に指定されている。

平成の世まで、日本で唯一の個人所有の城であった
現在では財団法人「犬山城白帝文庫」に移管されている。

白帝とは長江沿いの丘の上の城「白帝城」のことで、犬山城の別名。
詩仙李白の詩 『早発白帝城』(朝早くに白帝城の町を出発する)にちなみ、
荻生徂徠が命名したそうだ。
2017_0310_4_犬山城2

望楼の天守から望む伊木山、夕陽は木曽川に沈む。
情緒溢れる風景が眼前に広がる。
2017_0310_4_犬山城3



5.琵琶湖に佇む彦根城

彦根城は、滋賀は彦根市、琵琶湖の畔に立つ平山城で、
三層四階の天守は国宝に指定されている。

城の築かれた丘は「金亀山」と呼ばれることから、
彦根城は「金亀城」とも呼ばれているそうだ。

徳川四天王が一人「井伊直政」、桜田門外の変で暗殺された「井伊直弼」に縁のある城だが、 
毎日、城に登場する ゆるキャラ「ひこにゃん」の方が有名だろう。

偉人のことは知らなくとも、みんな「ひこにゃん」のことは知っている。
2017_0310_5_彦根城3

琵琶湖を一望する天守からの眺望。対岸には丹波高地の山稜が浮かび上がる。
2017_0310_5_彦根城6



6.日女路の大城 姫路城

姫路城は、兵庫は姫路市、日女路(ひめじ)の丘に立つ平山城で、
地上高は46m、現存天守で最大の城である。
五層六階の天守は国宝に指定されている。

白鷺城という別名をもつ白漆喰の美しい城で、
これほどの大きさにも関わらず、戦禍に巻き込まれることがなく不戦の城とも呼ばれる。

その風格は現存天守の中でも桁違い。正に日ノ本を代表する大城だ。
2017_0310_6_姫路城_出口1

天守から望む西方の景色。
整然とした屋根瓦の先には石梁山と景福寺山。素晴らしい展望だ。
2017_0310_6_姫路城_展望2


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