温泉マニアなら一度は行きたい! 硫黄島の絶景海中温泉
海中温泉とは、満潮時には海面下へ沈んでしまう海岸の温泉のことだ。
天候の良い干潮時刻にしか湯につかることができないため、
短期間の旅行においてはハードルの高い温泉だろう。
しかし、まるで海水浴でもしてるような気分で、
素っ裸の解放感に浸りながら湯船につかる海中温泉は
たとえ長期滞在してでも入りたい素晴らしい温泉だ。
おそらく日本で一番有名な海中温泉は、屋久島の平内海中温泉だろう。
しかし、日本で一番景観の素晴らしい海中温泉といったら硫黄島の温泉と断言できる。
今回は硫黄島の素晴らしい温泉を紹介しよう。

1.温泉に囲まれた硫黄島
硫黄島(いおうじま)は薩摩半島の南の沖に浮かぶ島で、鹿児島県に属していており
薩摩硫黄島とも呼ばれている。
尚、映画「硫黄島の戦い」で有名な小笠原諸島の硫黄島(いおうとう)とは違う島である。
硫黄島では、硫黄岳というランクAの活火山が常に噴煙を上げている。
硫黄岳は、ほぼ島の半分の面積を占めており、
また、その裾野(海岸)からは温泉が海に流れ出ていることから
硫黄島は温泉に囲まれた島と言える。
そして、硫黄島周辺の海は、流れ出た温泉と化学反応を起こし、
この世のものとは思えない様相を呈している。

2.乳白色に染まる海 野趣あふれる東温泉
集落にほど近い東温泉は硫黄島で一番有名な温泉だろう。
乳白色に染まる海、天狗鼻、東ノ立神が素晴らしい景観を創り出している。
見た通り仕切りも何もない混浴の露天風呂。
一応、近くに石垣で作られた簡易脱衣所がある。
女性観光客は水着を着用して入ることが多いため、
男性が素っ裸でつかるには少し勇気がいるだろう。
海面下には沈まないため海中温泉ではないが、
湯船は波打ち際にあり、波しぶきを浴びながら湯につかるワイルドな露天風呂だ。

東温泉には円形の湯船が3つあるが、右の湯船は源泉でとても熱く、左が一番ぬるい。
毎朝、8~9時に観光案内所の所員が湯温の調節を行うので、
適温になる10時ごろの入浴がおススメだ。
調節前の早朝だと湯温がぬるいことがあるし、また、日中12~16時は熱すぎたりする。
日中、熱くて入れなかった場合は、湯温の下がる夕方に入ると良いだろう。

3.開聞岳を望む 北岸の坂本温泉
集落の反対側、島の北岸にある坂本温泉は海面下には沈む海中温泉であるため、
干潮時刻に合わせて訪れる必要がある。
階段の下、石で四角に囲まれたところが湯船だが、
東温泉に比べるとあまり清掃されておらず、藻で覆われてヌルヌルと気持ち悪い時ある。
入浴するの抵抗がある場合は、観光案内所に相談してみるのもよいだろう。
場合によっては観光案内所の所員が清掃してくれる可能性がある。

海の彼方に薩摩半島の薩摩富士(開聞岳)を望む景色は素晴らしい。

4.俊寛もつかった!? 大谷温泉
平家の城跡展望台へ向かう道の途中、V字の谷を下った先にある「大谷(うーたん)」の沢。
温泉の看板などは出てはいないが、ここも海中温泉がある海岸だ。
近年「硫黄島に流された俊寛ら3人が住んだ場所はこの大谷ではないか?」
という学説が発表され、観光地となった場所だ。

東温泉の海のように乳白色に染ってはいないが、
ゴロゴロ転がる石の隙間から温泉が湧き出ていて、手をつけると温かいのが分かる。
この巨石の下の窪みが入浴スポットだ。
脱衣所はないが、あまり観光客も来ない場所なので、
気にせず海岸ですっぽんぽんになって、この穴場の海中温泉につかってみよう。

※この海岸はフナムシが多いので、虫が苦手な人にはおススメできない
5.日本一の絶景海中温泉 穴之浜温泉
硫黄島で、いや日本で一番の絶景海中温泉といったら、やはり穴之浜温泉だろう。
穴之浜(けつのはま)とは硫黄岳の北側に広がる海岸のことで、
平家の城展望台からは、硫黄岳の裾野(穴之浜)から流れ出た温泉が
海を乳白色に染める様を眺めることが出来る。

乳白色に染まる海岸、沖には竹島、昭和硫黄島、竹島ノ鵜瀬が浮かび、
背後には噴煙をあげそびえ立つ硫黄岳。
まさに、絶景中の絶景、日本でもここでしかお目にかかれない光景だ。

穴之浜温泉には脱衣所はおろか湯船もない。自然の海岸そのままである。
その湯につかるためには、温泉と海水が混ざり合って適温となった窪みを探す必要がある。
この白い大石の下に湯加減の丁度いい窪みがあるので、
他に見つからなかった場合はここで入浴しよう。

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