小笠原の見送り文化は唯一無二、見送り船ダイブに感動
日本には400を越える数多くの有人離島が存在するが、
入港・出航時にお出向かえ・お見送りのパフォーマンスがあるところは意外に少ない。
沖縄の離島でのエイサー、上三島 硫黄島のジャンベ演奏、
そして小笠 父島での見送り船ダイブぐらいだろう。
その中でも多くの島民が全力で見送ってくれる父島の出航は、
離島の出航パフォーマンスの中でも一番の感動を観光客にもたらしてくれる。
もはや父島の見送り船ダイブはパフォーマンスというよりは文化である。
では、その唯一無二の見送り文化を紹介しよう。

1.島民で溢れる二見港
離島、特に空路が無い島においては、港までの観光客の送迎は一般的だが、
港まで送った後も多くの島民が残り、
手を振り続けてくれる島は小笠原の父島・母島くらいだろう。
そして、おがさわら丸が桟橋を離れると、
声を張り上げて投げ掛けてくる言葉は「さよなら」ではなく「いってらっしゃい」。
自然と乗船客の返す言葉も「いってきます」となる。
これは別れではない再会の約束、小笠原にリピーターが多いのも頷ける。

2.おが丸を追ってくる見送り船
父島でのお別れはこれで終わらない。
幾艇もの見送り船がおがさわら丸の後を追ってくるのだ。
3代目になったおが丸は巡航速度が速いため、
追いかけ、並走する見送り船も必死だ。
出航する見送り船び艇数は波、風、天候によって変わる。
少ないときには1~2艇、多いときには10艇になることもあるそうだ。

実はこの見送り船、観光客でも普通に乗れる。
海の上から、おが丸に向かって、
声を張り上げ「いってらっしゃい」と叫ぶのはとても気持ちがいい。
父島に長期滞在する機会があるならば、一度は見送る側を体験しておいてもよいだろう。
3.小笠原のお別れのレイ(首飾り)
観光客にはあまり知られていないが、小笠原にはもう1つのお別れ文化がある。
島に残る人が、島を去って行く人に島の花で作ったレイを贈り、
贈られたレイは、出航の汽笛とともに海に投げ込まれる。
それがお別れのレイだ。
レイはポリネシア由来の首飾りで、フラダンサーが首に掛けているものが有名だろう。
基本的に、島民が島を離れるときに行われる文化で、観光客がレイを贈られることは少ない。

海に投げ込まれたレイが島に流れ着くと、その人は再び島に戻ってくると言われているそうだ。
つまり、レイには、いつかこの島に戻ってきなさいという願いが込められているのだ。

おがさわら丸のデッキで、首が無くなるほどレイを掛けているいる人がいたら、
その人は小笠原での生活が長かった島民と思って間違いない。
4.正に全力 海へのダイブで最後のお別れ
見送り船は1艇ずつ、おが丸に近づく。
おが丸の右舷で速度を緩めるとその時がやってくる。
見送り船に乗船した島民は、おが丸に向かってお見送りの言葉を叫び、
ときに何らかのパフォーマンスをし、そして最後は海へとダイブ。
飛び込んだ後は、海に浮かび必死に手を振って見送ってくれる。
この見送りは感動せずにはいられない。
そして、誰しもが、すぐにでも小笠原に帰りたいと思ってしまう。
すごいことは、この見送り船、
全てマリンスポーツ会社(船主)と島民の好意(ボランティア)で行われていることだ。
尚、波が高いとき、風が強いときにはダイブ禁止の場合があり、
見送り船ダイブが必ず行われるわけではない。
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