父島の絶景スポット ハートロック(千尋岩)ツアー
千尋岩とは父島南岸の断崖絶壁の岩場の名前で、
海から眺めるその赤い岩肌がハートの形に見えることからハートロックと呼ばれている。
ハートロックがある父島南部は森林生態系保護地域に指定されているため、
入林するには以下の2つの条件のいずれかを満たす必要がある。
① 森林生態系保全センターの「利用講習」を受講し入林許可書の交付を受け入林
② 入林許可証の交付を受けた人に同行して入林。ただし同行者は10人以内
観光客は入林許可証を持つガイドのツアーに参加するのが一般的だ。
ハートロックツアーの相場は8000円。
どこのツアーも所要時間7時間の1日コースで、ルートに違いは無いので、
選ぶ基準は開催日とガイドの人柄のみだ。
今回は、微妙なオヤジギャグ・ダジャレで観光ポイントを解説してくれる
オガツアーを紹介する。
ツアーのルート
1.出発地は北袋沢
小港海岸の手前、北袋沢の駐車場がツアーの出発地だ。
どこのツアーも車での送迎があるので、現地集合することはない。
尚、高山・ジョンビーチ方面からハートロックにアクセスするルートはない。
ここで、コース、注意事項の説明を受け、ツアー料金を支払い、準備運し、
トイレを済まして出発する。
この先にトイレは無いので、ツアー中は草むらで済ますしかない。

9:30、ハートロックまでのトレッキング開始。
森林生態系保護地域に外来種を持ち込まないため、
コロコロで服についた種子を取り除き、
靴の裏の肉食プラナリアをお酢のスプレーで殺虫してから入林する。
実際は、父島のほぼ全域に肉食プラナリアが蔓延しているため
効果のほどは怪しいそうだ。
父島では、貴重なカタツムリ(陸産貝類)の生息域は、
島東部の鳥山地域にわずかに残るのみだ。

2.まずは南に進み衝立山を登る
ハートロックへは、標高298mの衝立山を越えていく。

道中、ツアーガイドのオガちゃんが、島の植物についてダジャレを交え説明してくれる。
島中に見られる小笠原諸島の固有種のタコノキ。アダンの近縁種だ。

小笠原の固有種、ムニンシラガゴケ。
小笠原の固有種にはムニンが付くものが多いが、
これは古い小笠原の呼称「無人島(ムニンジマ)」に由来している。

小笠原固有種のシダの仲間「マルハチ」。
葉の落ちた跡、幹の模様が「丸に漢字の八」となっていることが名前の由来だ。

3.ルートには旧日本軍のトラックの残骸
今では、車はおろかバイクで通るのも厳しい道だが、
戦時中は旧日本軍のトラックが走る車道だったそうだ。
ハートロックまでのルート上には2台の旧日本軍のトラックが戦跡として残っている。

赤錆たエンジンにニッサンの文字。こちらの車両は日産車だと分かる。

こっちのトラックの残骸はトヨタ車。
70年の月日でエンジンとタイヤ以外は跡形も無くなってしまうことに驚く。

4.衝立山から眺める素晴らしい景色
衝立山の山頂は木々に囲まれていて展望はゼロだが、
山頂の林を南側に抜けると眼前に素晴らしい展望が広がる。

赤い岩肌が覗く海岸。ここまで来たらハートロックまであと少しだ。

5.赤い断崖絶壁 ハートロック
衝立山から15分ほどで赤褐色に染まるハートロックに到着。
東側の断崖に幾つか穴が見えるが、戦時中に大砲を設置した砲台跡。
断崖の反対側に入口があるが立入禁止だそうだ。

ハートロックの断崖の上からの素晴らしい眺め。沖に浮かぶ島は母島だ。
尚、海からの眺めないとハート型には見えない。

西に延びる海岸の先には南崎、そして南島。

6.最後にガジュマルの森で遊ぼう
衝立山を迂回するルートにガジュマルの森がある。
ハートロックの帰りに、このガジュマルの森で遊ぶことができる。
実はガジュマルも外来種。
戦前はここに民家があり、開拓時に防風林として植えられたそうだ。

ガジュマルは受粉に関与するイヌビワコバチ類がいないと結実できないので、
コバチがいない父島では繁殖しないと思われていたが、
近年、コバチの父島侵入が確認され、ガジュマルの繁茂が危惧されているそうだ。

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