勇壮な景勝の宝箱 トカラ列島 中之島


種子島から与論島まで続く薩南諸島。
そのなかの屋久島と奄美大島の間に点々と浮かぶ小さな島々、それがトカラ列島だ。

中之島はトカラ列島の中で最大の島であり、十島村で最も人口が多い
しかし、人口が多いといってもそれは150人程度、
トカラの島々が辺境の秘島と云われる所以である。

トカラ7島の「中ほど」に位置することが「中之島」という島名の由来だそうだが、
実際には北から2番目に位置し、中ほどという感じはあまりない。

トカラで最大を誇る島だけあって、中之島には素晴らしい場所が数多くある。
今回は、中之島の魅力溢れる6つのスポットを紹介する。
2017_0428_0_夕陽1



1.尖り、天に突き立つセリ岬

セリ岬とは、島の南東端「ヤルセ」と呼ばれる地にある断崖の岬である。

セリ岬は琉球竹に囲まれた「ヤルセ灯台(中之島灯台)」の裏手、草原を抜けたその先にある。
2017_0428_1_セリ岬1

草原を抜けると、えぐられた断崖に槍の様に突き立つ奇岩
柵などはなく一歩先は奈落、荘厳な立岩に畏怖の念を抱く。ここはトカラで最も勇壮な景勝地だ。
2017_0428_1_セリ岬2



2.トカラにある東京湾 屋知ヶ浦

セリ岬の先、ヤルセの南岸の海を屋知ヶ浦(ヤジガウラ)と呼ぶ。

しかし、観光マップに屋知ヶ浦の文字は無く、南東岸には「東京湾」との記載。
観光案内版もなく、自治体の観光ページにも載っていないが、東京湾とは屋知ヶ浦の愛称だ。
入り江の形が東京湾に似ていることが由来と云われている。

またここは、不沈伝説を持つ疎開船「金十丸」が米潜水艦から逃れるため停泊した場所でもある。
2017_0428_2_ヤルセの海岸2

東京湾からセリ崎まで延びる礫海岸はナカノ浜。
輝くリーフ、澄んだ海が美しい。
2017_0428_2_ヤルセの海岸1



3.荘厳なヤルセのガジュマル

島の南東端ヤルセには、かつて集落が存在していた

戦後、昭和22年~27年にかけてヤルセを含む4地区において、開拓政策で入植が行われ
小学校も建てられたが、高尾地区を除き廃集落となったそうだ。

ヤルセ旧開拓集落は半世紀もたたずに自然へと還り、今では痕跡も見当たらない。
そんな集落跡の廃道の脇にはガジュマルの巨樹がそびえ立っている

行く手を遮る気根、見上げれば木洩れ日に浮かび上がる巨体。
その存在と雰囲気に圧倒、呆然と立ち尽くしてしまう。
2017_0428_3_ガジュマルの森1



4.トカラで最も壮大な海岸 七ツ山海岸

七ツ山海岸とは、島の西岸、ヤルセから大木崎まで延びる広大な海岸である。
その延長は3kmを越え、大海原の彼方には口之島が浮かぶ。

七ツ山地区も、かつて開拓政策で入植が行われたが、ヤルセと同様に廃集落となり、
今では森に飲み込まれ、痕跡も残っていない。
2017_0428_4_七ツ山海岸1

島の南東岸の断崖の上を通る「ヤルセ線」
その道から見下ろす七ツ山海岸の展望は正に絶景だ。
2017_0428_4_七ツ山海岸2



5.星降る島の天文台 中之島天文台

御岳の裾野、高尾盆地にある中之島天文台は、1988年の「ふるさと創生1億円事業」で建てられた天文台だ。

気になる1億円の内訳は、
カセグレン式60cm反射望遠鏡が6000万円、残りの4000万円が天文台の建築費だそうだ。

入館料は300円。
事前に予約する必要があるが、客は滅多に来ないそうで、のんびりと星を眺めることができる。
2017_0428_5_中之島天文台1

カセグレン式60cm反射望遠鏡で眺める月。
月のクレーターはおろか、土星の環まで観察することができる。
2017_0428_5_中之島天文台2



6.そびえ立つトカラの富士山 御岳

中之島の北部にそそり立つ御岳(おたけ)はトカラ列島の最高峰であり、その姿からトカラ富士とも呼ばれている。

標高979mと比較的高い山であるが、標高750mの8合目まで舗装された道が通っているので、
容易に登頂することができる。

始終噴煙を上げる御岳の火口には、段々畑状の石垣が築かれているが、
これは硫黄の採掘場跡である。

戦前は、石垣から掻き落として集めた硫黄を島の交易品としていたそうだ。
2017_0428_6_御岳1

外輪山から見下ろす高尾盆地
盆地の東部に位置する高尾地区はトカラで数少ない平たい土地であるが開拓されたのは戦後だ。
2017_0428_6_御岳2

外輪山をぐるりと回り、島の北部にある草瀬とよばれる牧場を見下ろす。
山頂に吹く風を受けながら、濃紺の海に浮かぶ口之島を望む。
2017_0428_6_御岳3



関連記事

コメント

非公開コメント