野生牛が闊歩する日本の秘島! トカラ列島 口之島


屋久島と奄美大島の間に点々と浮かぶ島々、トカラ列島。その最北端に位置するのが口之島だ。

トカラに属する島は全てが辺境の秘島であるが、
この口之島は、日本で唯一、野生牛が生息する場所である。

また、敗戦によって引かれた北緯30度線が陸地を通過していたため、
戦後、国境を持った唯一の島でもある。
かつては密貿易で栄え、料亭や遊郭まであったそうだが、
国境が北緯30度となると賑わいは消え失せ、今では痕跡も残っていない。

空路は無く渡島する手段は週2便運航する定期船「フェリーとしま」だけだ。

太平洋に台風が発生しただけで定期船が欠航することがあるため、
夏から秋の時季に訪れるには少々勇気のいる島である。
実際、日本一周ツーリングでは11日間も島に閉じ込められてしまった。

今回は、島を隅々まで回り厳選した素晴らしき口之島の景勝5選を紹介する。
2017_0420_0_口之島1



1.黒潮に突き出た赤い岩礁 雄壮な赤瀬

赤瀬とは、島の北端の西に位置する赤い岩礁のことで、干潮時には島と陸続きとなり渡ることが出来る。

赤瀬の先の海は黒潮が流れるトカラ海峡
海の彼方には屋久島、口永良部島が浮かび、天気が良いと三島(黒島、硫黄島、竹島)まで望むことができる。

西日に照らされた赤瀬は、その名の通りに赤く美しい。
2017_0420_1_赤瀬2

赤瀬の頂きから望むフリイ岳。黒潮の荒波が海岸に打ち寄せる
眼前には雄壮な景観が広がる。
2017_0420_1_赤瀬4



2.風光明媚な草原が広がるフリイ岳

フリイ岳とは、島の北端に位置する標高235mの山であり、島を代表する景勝地だ。

山頂に到る山腹の坂は「残念坂」と呼ばれている。
戦時中、山頂に駐屯していた海軍に水を運んでいた島の女性が、
この坂を登るのに苦労し、残念坂と呼んだことがその名の由来だそうだ。

残念坂から望むフリイ岳の裾野には、名前とは裏腹で、のどかで牧歌的な情景が広がる。
2017_0420_2_フリイ岳1

山頂の展望台から望む口之島。その先には中之島、諏訪之瀬島と島々が続いている。
2017_0420_2_フリイ岳2




3.トカラ富士が美しい 瀬良馬海岸

瀬良馬(セランマ)とは島の南端の地域であり、日本で唯一の野生牛の生息域である。

瀬良馬へは、森林基幹道「口之島線」の牛進入防止ゲートを自らの手で開けて進入する。
ゲートの外へ一歩出たなら、いつどこで野生牛と遭遇してもおかしくはない。

瀬良馬海岸は島の南岸に広がる海岸で、瀬良馬温泉からガジュマルが生い茂る遊歩道を30分ほど歩いた先にある。

鬱蒼としたジャングルを抜ける一気に視界が開け、
美しいトカラの海と、雄大なトカラ富士「中之島の御岳」が眼前に迫る。
2017_0420_3_瀬良馬温泉3

ここまできたのなら瀬良馬温泉にも入っておきたい。
温泉施設は2016年に立て直したばかりなので真新しい。
鍵はコミュニティセンターで借りる。(入湯料200円)
2017_0420_3_瀬良馬温泉1



4.海岸から滲み湧く海中温泉 戸尻海岸

戸尻海岸とは集落の外れ、島の西岸に広がる広大な礫浜である。

海岸は島の最高峰、標高628mの「前岳」の北西の裾野にあたり、
海岸手前の草原一帯は牛の放牧地となっている。

前岳を見上げ、フリイ岳まで続く島の西岸を一望。隠れた島の好展望スポットである。
2017_0420_4_戸尻海岸6

海岸には立石と呼ばれる奇岩が屹立している。
この岩の周辺は掘ると温泉が滲み湧く海中温泉である。
ただし、温泉につかるには波のが穏やかな干潮時を狙う必要がある。
2017_0420_4_戸尻海岸2b



5.トカラの島々を望む絶景 横岳の無線中継局

島の南部に位置する横岳は島で二番目に高い山であり、
最高峰の前岳に登山道がないことから、実質、ここが島で最高所の展望ポイントとなる。

標高500mの山頂には無線中継局があり、そこまで舗装された道が通っているのでアクセスは容易である。

山頂から望むトカラの海。
目の前には中之島が浮かび、平島、臥蛇島、小臥蛇島といったトカラの島々が水平線に霞む
2017_0420_6_電波中継局1


横岳の隣にそびえ立つ前岳。口之島屈指の展望が広がる。
なお、野生牛が闊歩する前岳山腹の林道は危険なため通行禁止となっている。
2017_0420_6_電波中継局2


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