瀬戸内に浮かぶ小さなアートの島 豊島


豊島とは瀬戸内海、小豆島と直島の間に浮かぶ島であり、
読みは「とよしま」や「としま」ではなくて「てしま」だ。

島の西端で行われた産業廃棄物の不法投棄の問題で、
一時は産廃の島として全国に知られていたそうだが、
現代アートの国際芸術祭「瀬戸内国際芸術祭」の開催によって、
今では芸術の島としての名の方が通っているだろう。

前回は小豆島のアート作品を紹介したが、
今回は、心に響く豊島のアート作品を紹介しよう。
2017_0222_0_豊島0



1.先鋭と古格の融合 イル・ヴェント

イル・ヴェントとは、家浦集落の海岸沿いの古民家を改装したカフェレストラン
そして、ドイツの芸術家「トビアス・レーベルガー」のアート作品である。

イル・ヴェント(IL Vento)の意味はイタリア語で「」。
瀬戸芸で付けられた作品名は「あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする」。
いったい、どういう意味が込められているのだろう。

外観は古格の民家なのに入口はまるでSF。
入口を見ただけで、イル・ヴェントに惹き込まれてしまう
2017_0222_1_イル・ヴェント1

そして一歩中に入ると、度胆を抜かれる内装
ストライプ・水玉など様々な模様が壁一面どころか、天井や床、
テーブルやイスにまで施されている。
2017_0222_1_イル・ヴェント2

落ち着いて食事することは出来ないかもしれないが、
豊島に訪れたら、必ず立ち寄りたいカフェだ。



2.振動覚に響く心臓音のアーカイブ

豊島の北西に位置する唐櫃浜に建てられた「心臓音のアーカイブ」。

ここは世界中の人の心臓音を収蔵し、それらを聴くことが出来る小さな美術館、
そして、クリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション作品だ。

正直に言って、最初は心臓の音なんか聴いてどうすんだと思っていたが、
ごめんなさい、すげぇや、ここ。

インスタレーション空間は真っ暗闇。
その中で、空気が振動するほどの心臓音が空間中に響く。
そして、鼓動に合わせて部屋の中心の電球が灯り、室内が薄暗く照らされる。

まるで、人体に入り込み心臓の鼓動を聴いているかようだ

鑑賞料510円、心臓音のアーカイブ料は1540円。
髙いと思うか安いと思うかは人それぞれだが、体感して後悔することはないアート作品と断言する。
2017_0222_2_心臓の音



3.空間を味わう 豊島美術館

豊島美術館は唐櫃集落の丘の上、棚田の一画に建設された美術館だ。

唐櫃の丘陵を登る道路は棚田と瀬戸内の海を望む好展望スポット
その道路から見える白い水滴型の巨大コンクリート・シェルの建造物が豊島美術館である。
2017_0222_3_豊島美術館2

コンクリート・シェルのインスタレーション空間の天井には2つの大きな穴が開き、
外部の光、そして、雨天の時には雨滴をその内部に取り込む

床の小さな孔からは水が湧き出ていて、水滴となって動き出し、集まり、塊となって
一番大きな水滴の集合である「泉」に流れ落ちる。水の動きには決まった形は無い。

ここの空間は季節、天候、時間によって無限にその表情を変える
一日中いても、全然飽きない不思議な空間だ。

鑑賞料1540円
髙いと思うか安いと思うかは人それぞれ...いや高い。
そう、決して安くはないが、この空間にはそれだけの価値がある
2017_0222_3_豊島美術館6



4.瀬戸内海を眺望する随一の展望 豊島檀山

豊島のアート作品は確かに素晴らしいが、豊島本来の自然の美しさを忘れてはいけない。
最後に、豊島の最高峰「檀山」から望む最高の眺望を紹介しよう。

檀山には2つの展望台がある。
1つは、標高345mの山頂に建てられた「檀山四望台」。その展望は360°の大パノラマだ。
東方を望むと蒼い海に浮かぶ小豊島と小豆島。とても心地が良い場所だ。
2017_0222_4_檀山2

山頂の南側、断崖の崖縁に建てられた檀山展望台からの展望も素晴らしい。
湖のように穏やかな海の先には男木島、そして、四国の屋島、五剣山までを望む。
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檀山は、島民が「瀬戸内随一の展望」と豪語する、豊島自慢の絶景スポットだ。


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